2009 年 7 月 のアーカイブ

  
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谷中安規のまぼろしの本 その1

2009 年 7 月 24 日 金曜日

7/25(土)のギャラリートークで、アンキさんについてお話ししてくださる版画家の大野隆司さん。 大野さんの著作の中でも、とりわけアンキさんへの愛に満ちた素晴らしい一冊をご紹介します。

大野隆司・著『安規物語』( 1998年1月3日 再版  リクエストアームズ )です!

『安規物語』著:大野隆司

『安規物語』著:大野隆司 手のひらサイズです


難しいことをぜんぶ抜きにした、こどもたちのための楽しくてかわいい(ちょっと刺激的な場面もあり!)アンキさんの物語。どのようにして『安規物語』が本のかたちにまとめられたのか、詳細は明日のイベントで語っていただくとして
「あとがき」だけ、ちょこっとご紹介しますと・・・

今から11年前には、私はまだ珠算塾の先生をしていた。そのころ、このようなもの(谷中安規ものがたり〜当時のタイトル)を、四図を一回として、毎週子供たちに配っていた。だから、当時の我塾の生徒たちは、谷中安規という名をよく知っていたのである・・・
*1998年から11年前なので1987年頃ということです。

大野さんの手書きの絵と文章でつづられた谷中安規の物語を毎週うけとっていた子どもたち!
ひと味違う? 大人になっているかしら?

7/25(土) 谷中安規をめぐって ギャラリートーク

2009 年 7 月 19 日 日曜日

谷中安規の世界をより深くたのしんでいただくために、ギャラリートークを開催します。
ぜひお越しください!

瀬尾典昭さん(渋谷区立松濤美術館学芸員)と
大野隆司さん(版画家)が
アンキさんの作品の魅力についてお話ししてくださいます。
もしかすると生前のアンキさんをよくご存じだった方がゲストにいらしてくださるかも知れません(当日まで不確定です)。

いつもは展示ケースの中に仕舞われている書籍(谷中安規が装丁を手がけた内田百閒や佐藤春夫の著作)なども、特別に中身をご覧いただけますよ。
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ギャラリートーク「谷中安規をめぐって」

2009年 7月25日 土曜日
開場:午後4時30分 開演:午後5時(ティータイムをふくめ、およそ90分を予定)

* 午前9時30分〜午後3時までは通常通りに開館いたします。
会場準備の都合により、午後3時〜4時30分の間はいったん閉館し、その後にギャラリートークの受付開始となります。

参加費は、¥1,000-(茶菓付・入館料込)
定員は30名です。電話かネットで予約してくださいね。
◇ お電話はフィリア美術館(0551-36-4221)まで
インターネット予約はここをクリック

アンキさんのこと

2009 年 7 月 18 日 土曜日

まず、[谷中安規]という文字をはじめて目にした方は、どう読むのかわかりますか?
[たになかやすのり]と読みます!
ただ本人が「ヤナカの墓のアンキです」と自己紹介をしていたというエピソードもあり、彼の作品を好ましく感じる人たちの間では、親しみをこめて「ヤナカアンキ」と呼ばれています。
また、その独特な浮遊感のある作品世界と飄々としたアンキさんの風貌から、内田百閒よりつけられた『風船画伯』という綽名でも知られています。(「画伯の名前は曖昧で、谷中安規だか、安中谷規だか間違う怖れがある。私は混雑を避けるため、秘かに風船画伯と呼んで敬ふ事にしてゐたら、後にはご本人もその名を仮用せられる様である。風船の繋留索が、しょっちゅう切れて、どこかを浮動するのである」内田百閒)

物凄くへんてこりんな伝説のある人で、それらのエピソードも興味深いのですが、とにかく作品が素晴らしいので、ぜひご覧になってくださいね。書籍やインターネットでも紹介されていますが、摺り具合は直にご覧にならないとわかりにくいですからね。
福永武彦はエッセイの中で、谷中安規が装丁した本のことを大事なあまり「小さな子供が遊びに来ても、めったに見せてなんかやるものではない」なんて書いてますが、世代を超えて楽しめる作品だと思います。

アンキさんの作品は物語の挿絵や本の装丁でも知られています

アンキさんの作品は物語の挿絵や本の装丁でも知られています

ところで
内田百閒(うちだひゃっけん)の、「けん」の字は、ちゃんと表示されているでしょうか???「けん」は「門構えに月」と書きますが、パソコンの環境によっては「文字化け」してしまうようです。化けちゃった方、ごめんなさい。

  
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