‘森’ タグのついている投稿

  
 < 1 2 3 4 5 6 7 8 9 .. 22 >

山の幸

2013 年 9 月 17 日 火曜日

 

台風一過。

台風18号が去り、空気が入れかわったみたいです。
さわやかな秋晴れの空がひろがっています。

 

すみきった秋の空! 甲斐駒ヶ岳が近くに見えます。

すみきった秋の空! 甲斐駒ヶ岳が近くに見えます。

 

八ヶ岳南麓は、すっかり秋の風、秋の光が満ちています。

 

 

一週間ほど前、
なんとなく、そこここに小さな秋を感じはじめた頃、
玄関脇の庭のミナヅキの木の下で
真っ赤な傘のキノコを発見しました。

 

なまめかしいほど真っ赤な傘のキノコ

なまめかしいほど真っ赤な傘のキノコ

 

数日後・・・

 

白く粉がふいて様変わり

白く粉がふいて様変わり

 

そして
また秋晴れの今日、
玄関脇の庭のシラカバの木の下で
別の種類と思しき真っ赤な傘のキノコを発見しました。

 

紅葉した葉っぱのよう

紅葉した葉っぱのよう

 

はやくも紅葉した葉っぱかしら?と思ったら、キノコでした。

思いがけなく出会ったキノコたち。
こんな風に見つけられることもありますが、探そうとして「キノコ狩り」に出かけても、なかなか収穫できるものではありません。

以前、企画展でお世話になった仙人こと小林路子さんや、キノコの絵描き屋・渡辺隆次さんからうかがった
「狩人」たちの目の鋭さ・勘の良さは、簡単に身につけられるものではないようです。

 

更に、また
鳥の巣探しも同じことが言えそうです。
鈴木まもるさんと知り合ってから、わたしたちも庭や美術館の周囲のヤブなどに、その気になって目をむけますが、いまのところ見つけることはできていません。

鈴木まもるさんのご著書によると

(鳥の巣は)なにしろどこにあるかわからない。春など子育て中に探すなら親鳥が餌運びなどをしていて見つけやすいのだろうが、僕の場合、鳥の生活を脅かさないように秋から冬にかけてなので、まったく気配がない。海岸の砂浜で一粒の塩を見つけるようなものだ。
こんな場所にはこんな鳥の巣がある、という可能性はあっても確証はない。こちらが巣作りに良さそうな場所だと思っても、ないものはない。こんないい場所になぜ作らん、と自然に対して文句を言っても仕方がないのだ。 (『ぼくの鳥の巣コレクション』 岩崎書店より)

とのこと。

鈴木まもるさんの手足・目を通して、作品としてあらわれた「鳥の巣」。

野を越え山越え谷越えて、木から落っこち、がけではすべり、トゲに刺され……。聞くも涙、語るも涙、一つ一つに血と汗と涙が染みこんでいる・・・
(『ぼくの鳥の巣コレクション』 岩崎書店より)

ぜひ原画をご覧になりにお出かけください。

 


 

『鈴木まもる絵本原画展』

会期:7月13日~9月23日
休館日:水曜日
開館時間:午前9時30分~午後5時
入館料:一般500円・小中学生300円

● 画家・絵本作家・鳥の巣研究家である鈴木まもるさんの、
鳥の巣に関連した絵本の原画を中心に約50点展示。
実物の鳥の巣も展示しています。

 


 

 

フィリア美術館 秋の庭 2013

2013 年 9 月 10 日 火曜日

 

八ヶ岳南麓は
日ごとに秋めいてきました。

 

玄関脇の小さな庭の、小さな秋をご紹介します。

 

ホトトギス 白

ホトトギス 白

 

 

ホトトギス 紫

ホトトギス 紫

 

 

シラカバの木の下に、ホトトギスがにぎやかに咲いています。
小さな株を植えてから10年ほどが経ち、種がこぼれて、あちこちに増えました。

 

 

ノラニンジン

ノラニンジン

 

種で増えたといえばノラニンジン。この庭に集うおなじみさんです。

 

 

サンショウ

サンショウ

 

蒔いたり、植えたりした覚えはないけれど、数年前からお目見えのサンショウ。
今年はたくさんの可愛い実を結びました。

 

 

ヤマウド

ヤマウド

 

思いがけないところから顔を出しアッと言う間に大きくなるヤマウド。
小さな白い花は、翡翠色の実になり、濃厚な紫へ・・・。

 

 

ヤマボウシ

ヤマボウシ

 

春から夏に咲くヤマボウシの白い花は、サクランボみたいな赤い実になります。

 

 

ミナヅキ

ミナヅキ

 

玄関の脇で、最初に皆さまをお迎えするミナヅキ。
ときどき「アジサイですか?」とお尋ねいただきますが、ウツギの仲間です。
夏真っ盛りに白く咲いた花が、ほんのり紅く染まってきました。

 

 

キノコ!?

キノコ!?

 

ミナヅキの木の下にあらわれた真っ赤な傘のキノコ!
お名前は何とおっしゃるのでしょう???

 
開催中の企画展『鈴木まもる 絵本原画展』とともに、
さわやかな高原の秋をお楽しみください!

 

 


 

『鈴木まもる絵本原画展』

会期:7月13日~9月23日
休館日:水曜日
開館時間:午前9時30分~午後5時
入館料:一般500円・小中学生300円

● 画家・絵本作家・鳥の巣研究家である鈴木まもるさんの、
鳥の巣に関連した絵本の原画を中心に約50点展示。
実物の鳥の巣も展示しています。

 


 

渡辺隆次『山里に描き暮らす』(みすず書房)

2013 年 9 月 3 日 火曜日

 

渡辺隆次さんのエッセイ『山里に描き暮らす』が、みすず書房から刊行されました。
〈大人の本棚〉シリーズの中の一冊です。

 

渡辺隆次『山里に描き暮らす』(みすず書房)

渡辺隆次『山里に描き暮らす』(みすず書房)

 

 

「この地に住まう者なら、獣とならび、刈っても伐ってもたちまち生えてくる草木の獰猛性に、一目も二目もおくはずだ。そんなことを身に滲みて感じるのも、 三十六年余にわたって山麓の変遷を、日々目にしてきたことにもよるのだろう。寄る年波からつい来し方行く末に思いがゆく。その結果自らの、よって来たる源あたりまでをまさぐり、埒もない多くを書き連ねてきた。八ヶ岳山麓といえば、いまや観光公園化して広く喧伝されるが、それがイメージさせるのとはやや異にした、インドアライフといった向きで、このエッセイ集を編んでみた。」(あとがき)

画文集『きのこの絵本』『山のごちそう』などでエッセイストとしても人気の絵描きが、消費とも生産とも無縁な「居候」としての人生を書き下ろす自由な文集。
みすず書房より

 

 

画家・渡辺隆次さんが、八ヶ岳南麓に暮らし、作品を製作しながら、感じたこと、思い出されたこと…などなどが綴られています。

渡辺さんとは、フィリア美術館の開館以前から交流させていただいていますが、文中、館の様子も触れてくださっています。
(フィリア美術館は1990年9月開館しました)

 

また、挿画として、〈胞子紋〉(きのこの胞子で描かれた紋様)の作品が、二点収録されています。

 

フィリア美術館でも取り扱っています。
サイン付き!

ぜひお手元に。

 


 

渡辺 隆次(わたなべ りゅうじ)
1939年東京八王子に生まれる。武蔵野美術学校(現・武蔵野美術大学)本科・西洋画卒業、東京学芸大学養護科修了。1977年から八ヶ岳山麓長坂町のアトリエで制作を続ける。無所属。作品発表は主に個展。1992年より1999年まで武蔵野美術大学特別講師。エッセイストとしても活躍し、主な著書に『きのこの絵本』『山のごちそう』『八ヶ岳 風のスケッチ』(以上ちくま文庫)がある。2000年、武田神社(山梨県甲府市)菱和殿に山梨の草木鳥獣な どを描いた120枚の天井画を奉納、あわせて画文集『花づくし 実づくし―武田神社菱和殿天井画』全3巻(木馬書館)を上梓。2006年には武田神社能楽殿甲陽武能殿の鏡板を手がける。『山里に描き暮らす』(〈大人の本棚〉みすず書房、2013)。
書籍掲載のプロフィールより

 


 

  
 < 1 2 3 4 5 6 7 8 9 .. 22 >