2009 年 6 月 のアーカイブ

  
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迷子になってもだいじょうぶ!

2009 年 6 月 17 日 水曜日

6/7に開催した‘インドの夢’終了後の出演者やスタッフの夕食は、北杜市内のお隣町にあるネパールカレーのお店ぼんてんやからケータリングしていただきました。3種類のカレーはどれも好評で、あっという間にお皿が空になりました。特にこの日の人気は豆カレーの‘ダル’。ホッとした気分もあって本当に楽しく美味しくいただきました。

ぼんてんやには時々お食事に行くのですが、あるときお連れした方が「このお店は辿り着くまでの道のりもふくめて、宮沢賢治のようでもあり水木しげるのようでもあるね」とおっしゃったことがありました。真っ暗な雨の夜、田圃と集落の中をくねくねと右左する道すがら、さまざまな妖しい楽しい物語を想像しておられたようです。お店の中はちょっと入り組んだ作りになっていて、さまざまな国や時代の布や小物がちょこんと飾られてあったりするので、これまた楽しいイマジネーションがひろがるのでしょう。

『渡辺眸 写真展 旅の扉』で関わった方々も口々におっしゃっていましたが、ぼんてんやオーナーの金子仁香さんによると、ヒマラヤの空気や自然に八ケ岳南麓は似ているのだとか。
お店のかたわらの畑でとれる新鮮な食材とマサラ(スパイス)だけで作ったカレーは、ネパール、サウス&ノースインディア、タイなどをひっくるめた家庭料理の味とのこと。八ヶ岳と彼の国々が良い感じでミックスされて、良い味をだしているのですね。
金子さんは日本画の画家でもあり、身近な自然を題材に描かれていますが、やはりミックスされた無国籍な香りが画面に漂っている気がします。

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ぼんてんやは、今年で15周年を迎えます。
その記念としてイベントを開催するということなので、ご紹介しますね。

●6/20~28 西川 大 彫刻展 We Have Heaven
●6/20(土)午後3時~オープニング・イベント“夏至祭”
この日は、蜜蝋キャンドル作りや映画の上映、キャンドルの光の中でジミー矢島・ゆめやえいこ出演のライブなどがあります。
○問い合わせ: 080-5524-9572(西川) 0551-32-5242(ぼんてんや)

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さあいざ、ぼんてんや!ですが
はじめてお出かけする方や田舎の道になれていないと、やはりちょっと難しい道のりかも知れません。
ぼんてんやHPの地図ページ‘ぼんてんやへの道’には、楽しい迷子対策ポイントが書かれていましたので許可をいただいて転載してみます。

●ポイント1・・・迷ったら近くの人に「ぼんてんやはどこですか?」と聞くこと。
●ポイント2・・・てんで違う方角に行ったとしても、あきらめずに迷った事を幸運だと思い、風景や空気を楽しみながら、積極的に迷路にはまること。
●ポイント3・・・できるだけ時間をかけて彷徨い、お腹がこれ以上ないほどすいてくると、道案内の看板が目の前に出てくるという説もあります。

まずはお電話で営業時間を確かめて(ときどき臨時のお休みもありますよ)、ゆったりした気持ちで、気をつけてお出かけくださいね!

ぼんてんや
http://page.freett.com/bontenya/

山梨県北杜市長坂町塚川1392-9
電話0551-32-5242

営業時間:4月~11月 金・土・日曜日  12:00~20:00 (LO 19:00)
遅くなるなら、 お電話いただければ22:00までOK。

金・土・日以外は予約制です。 12月~3月はグループ予約のみ。 パーティ歓迎。
小さなお店です。出来ればご予約下さい。各内容についてもお気軽にお問い合わせ下さい。 時々、他の催しもの等に出店して店にいない場合もあります。

メジロ

2009 年 6 月 16 日 火曜日

美術館の玄関先に小鳥がやってきました。
リリリリ・・・と、虫の声と間違えそうなほど透明感のある優しい鳴き声が聞こえてきます。
ちょうど花の写真を撮っていたところだったので、すぐさまカメラを声のする方に向けてパシャリパシャリ。
撮れました!

きれいな声でさえずっています

きれいな声でさえずっています

玄関脇の白樺で

玄関脇の白樺で

隣にいた知り合いに「あれはウグイス?」と尋ねると、

「あれはメジロ。ほら、メジロっていうだけあって目の周りが白いでしょ。
うぐいす色ってたしかにああいう色だけど、本物のウグイスはもっと茶色いのよ。
そういえば、うぐいす餡やうぐいす餅もウグイスの色というよりメジロの色よね。
どうしてメジロの色がうぐいす色って呼ばれるのかなあ・・・?」

というわけで、うぐいす色について調べてみたら、なんだかややこしいというかまぎらわしいというか・・・

「うぐいす色ってどんな色?」と考えたときに、メジロのような明るめの緑色を思い浮かべる人が(我々を含め)大多数らしいんですが、正式な「うぐいす色」とはこんな暗めの色なんだそうです。

うぐいす色

うぐいす色

どうして色の認識にねじれが生じたのかについては諸説あるようなので、興味のある方は調べてみると面白いかも知れませんよ。

横井弘三の作品世界を旅してきました

2009 年 6 月 15 日 月曜日

諏訪市原田泰治美術館でおこなわれている企画展[信州が生んだナイーブアートの鬼才 横井弘三展](2009.4.22〜7.12)を観てきました。
知っているようで知らなかった横井弘三*1の世界。

フィリア美術館では、かつて横井弘三の作品を一点、展示したことがあります。
2004年に開催した企画展『絵雑誌 子供之友*2の世界 小さな窓から』において、婦人之友社からお借りした三十数点の原画の中の一つでした。

さまざまな個性がそろった魅力的な作品のなかでも、横井弘三の『のぞきめがね』(大正14年6月号)は、ひときわ異彩をはなっていました。終わりのない世界とでもいうべき奇妙さ。一見して読みとれる物語(起承転結や主役脇役といった、どの場面を誰を中心に描いているのか)や教育的なメッセージはないのですが、ただただ素朴なタッチと妙な味わいが楽しくて、お客様からの人気も高かったと記憶しています。

今回の[横井弘三展]では26点の作品が出品されていました。
図録や絵葉書がありませんでしたので、きっちり自分の目に入れて心の中にちゃんと納められるように、じっくりしっかり拝見しました。
「横井弘三の作品は、こんなに楽しい!素晴らしい!」と伝えたくてあれこれ言ってみようとするものの、いくら言葉を重ねてもわかってもらいないような、なにか言葉を発してもしょうがないような、そんな気分にさせられてしまいます(美術館学芸員にあるまじき発言ですね。申し訳ありません)。ぜひどうぞじっさいに味わっていただけたらと思います。

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*1 横井弘三(よこいこうぞう 1889-1965)
明治22年、長野県飯田市生まれ。大正4年、第2回二科展で樗牛賞受賞、「日本のアンリ・ルソー」として華々しくデビューします。有島生馬は「後世に遺るべき絵」と評価していたそうです。その後、中央画壇と決別し、昭和5年、日本アンデパンダン展を創始するなど独自の創作を追求しました。また既存の技法にとらわれず「焼き絵」など新しい技法にとりくんでいますが、当時の画壇との決別は、画材などの配給が受けられないことを意味しますので、創作をつづけるための彼なりの工夫だったのかも知れません。
彼は作品を売ることはなかったそうですが、支援してくれる方に気前よく(?)作品を差し上げたそうです。原田泰治美術館での展示の多くは、信州新町美術館から出品されていました。

*2 子供之友
名だたる画家たちによって描かれた子供のための絵雑誌『子供之友』は、大正3年に婦人之友社から発行されました。北沢楽天・武井武雄・竹久夢二・村山知義などなど・・・が活躍していましたが、昭和18年に戦争中の用紙制限により、休刊になりました。

  
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